一人暮らしの賃貸物件選びでは、特に家賃の安さや駅までの距離が気になりますよね。中でも、賃貸サイトで物件を探しているとふと目につくのが、線路近くの物件。
「線路から30メートル以内の物件って、どれだけうるさいの?音以外に問題がある?」
「線路近くの物件に住み始めたけど、他の人はどんな工夫をしているんだろう?」
今回はそんな疑問を持つ方に向けた、線路から30メートル程の賃貸物件に住むことのデメリットと意外なメリット、そして快適に暮らすための工夫についての記事です。線路から30メートル程の距離に位置する賃貸物件に3年以上住む著者が、工夫次第で快適に過ごせることを詳しくご紹介していきます!
線路から30メートル以内の物件の特徴
30メートル以内に線路がある場合、部屋の窓から線路が見える物件がほとんど。中には目線と同じ高さで列車が走っているお部屋もあります。
特筆すべきは、一定時間ごとに感じる列車の通過音や振動。生活への影響が気になりますが、主に以下の要素で左右されます。
・線路と物件との距離
・終電後の貨物列車の有無
・線路との間に障害物があるか
・電車の本数
・線路の数
・踏切が近くにあるか
ですが、最近の物件は二重サッシなどの防音設備が充実しているところも多く、個人差によっても感じ方は様々。必ず内見を行って、実際に音や振動を体感するようにしましょう。

防音設備については、内見前に物件情報を要チェック!内見時にその効果を確かめよう。
線路近くのメリット:通勤・通学が多ければ快適!
家賃が安くなりやすい
線路近くの物件は、音や振動の問題などを理由に相場よりも比較的家賃が安めに設定されていることが多いです。特に初期費用や毎月の家賃を抑えたい一人暮らしの方にとっては、見逃せないポイント。
駅チカ物件が多い
線路のそばということは、駅が近いエリアである可能性が高いです。徒歩5分圏内の物件も多く、通勤や通学が楽になります。在宅勤務もメジャーになってきた昨今ですが、出社しなければならない方にとっては非常に大きなメリット。
朝の忙しい時間や1日の疲れを背負って帰るとき、最寄り駅または自宅が目の前にあると、想像以上に心身の負担を減らすことができます。

雨の日に、駅まで近い分あんまり濡れずに済むのも嬉しい~
駅周辺の商業施設が利用しやすい
駅の近くは、スーパーやコンビニ、飲食店など、生活に必要な施設が集中していることが多いです。仕事帰りに買い物したいとき、寄り道の負担が軽減できるため、生活の質がアップ!
日当たりがよい
線路との間に障害物がなくお部屋が線路より上に位置する場合、線路側の居住空間は日当たりがよく、圧迫感が少ないです。
線路近くのデメリット:音・振動のほか鉄粉にも注意!
騒音
電車が近くの線路を通過する度、10秒〜20秒の間で走行音が響きます。防音性が低い建物や窓を開けていると顕著ですが、特に深夜や早朝の電車音は静けさの中で一層目立ちます。
振動
電車が通るときに、軽い地響きのような振動を感じることも。これは建物の構造や立地、階層によって異なりますが、木造や築年数が古い物件ほど感じやすいです。
鉄粉や埃
線路の摩擦によって鉄粉や埃が宙を舞い、ベランダの手すりが汚れやすいです。窓を開けると部屋の中に入り込み、洗濯物についてしまうことがあります。
実体験を紹介!30m程度の距離なら工夫と慣れで快適に過ごせる
著者は30メートル程の距離に線路がある1Kのお部屋に、3年以上住んできました。選んだ決め手は駅へのアクセスの良さと家賃の安さです。(さらに安い10メートル~20メートルの近距離にある物件も内見しましたが、電車の音や振動が自分の許容範囲をあまりに超えていたため、断念しました。)
著者が選択したのは、以下の環境です。
・電車の走行時間は明け方5時から深夜12時頃まで
・5階に位置し、線路は見下ろす位置
・築25年以上の鉄骨造
・線路との間に障害物なし
・線路側は6畳間
・近くに踏切なし
引っ越す前は閑散とした住宅街に住んでいたため、正直なところ最初は、電車の走行音が気になってよく寝付けませんでした。大好きなアニメやゲームの音声も、肝心なシーンで無情にも電車が颯爽と走る音にかき消され、聞き直したりしたことも。
最もストレスだったのは在宅勤務です。ノイズキャンセリング機能がないヘッドセットを使ってオンライン会議に臨んだところ、電車が通る度に相手に聞き返さなければならず、引っ越したことを非常に後悔しました…。
ですが、1ヶ月ほど経てば規則的な走行音に慣れ、生活の工夫で快適に過ごせるようになりました!今では環境音の1つとして電車の音や振動が生活に溶け込んでいます。
電車の走行音がどのくらいの音なのかを文字で説明するのは難しいため、スマホに無料のアプリを入れて、線路側の6畳間で電車の走行音を測定しました。なお、カーテンは開けた状態です。
結果は以下の画像の通りです。車はほとんど走っておらず普段は30dB前後という静かな環境ですが、電車が通りかかると50dB程の走行音が10秒程度続きます。アプリ上は50dB:静かな事務室と表示されていましたが、実際に聞こえてくる音はもう少し大きく感じます。

線路沿いでも快適に暮らすための工夫
以下のような工夫をすることで、線路近くでも快適に過ごすことができます。
窓は基本的に開けない
音や鉄粉の侵入を抑えるため、原則は窓を閉めること。代わりに、換気扇や換気口、空気清浄機を活用しましょう。
ノイズキャンセリング付きのヘッドホン・イヤホンを使う
在宅勤務のオンライン会議や、アニメやゲームを集中して楽しみたいときは、ノイズキャンセリング付きのヘッドホンがおすすめ。電車の音をかなりシャットアウトできます。

声や音楽を聞く度に、ヘッドホンをつけなきゃいけないくらいうるさいの?

建物の築年数や設備によって程度は異なるけど、集中して聞くときはノイズキャンセリング機能があるヘッドホンをつけるとストレスフリーだよ。
洗濯物は部屋干し
鉄粉対策や電車から洗濯物が見えないように、洗濯物は部屋干し。乾燥機能付きの洗濯機や、除湿機・サーキュレーターを活用しましょう。
遮音カーテンを導入する
防音・遮音カーテンを設置すると、窓からの音漏れを少しだけ軽減できます。
ベッドの配置を工夫する
線路側の壁からベッドをできるだけ離すと、体感する振動が減ります。壁にベッドフレームをぴったりくっつけないこともポイント。
線路に近い物件を内見するときチェックするポイント
実際に物件を内見する際には、以下の点をしっかり確認しましょう。
電車の運行スケジュール: 電車の運行スケジュールを確認し、電車の本数が多い時間帯に内見させてもらうのがおすすめです。
電車通過時の振動・周辺の音の聞こえにくさ:電車が物件を横切るときに、振動と会話や動画音声の聞こえにくさを確認しましょう。
窓を開けた状態・閉めた状態での音の聞こえ方: 窓を閉めるとどの程度の音が遮断されるか確認しましょう。あわせて、窓の立て付けや隙間風も要チェック!
壁などの遮音性の高さ: 不動産業者に建物の構造について詳しく聞いてみましょう。
まとめ:線路近くの物件もお部屋探しの候補に入れてみよう
今回は、線路から30メートル程の距離に位置する賃貸物件について、メリットとデメリット、そして快適に暮らすための工夫をご紹介しました。
確かに、電車の音や振動は見過ごせないデメリットです。しかし、駅チカという利便性や家賃の安さなど、魅力的なメリットもあります。工夫すれば電車の音などのデメリットを最小限に抑え、快適な一人暮らしを送ることは十分に可能です。
「線路の近くはちょっと…」と最初から諦めてしまうのはもったいないです。線路近くの物件も視野に入れると、意外な掘り出し物が見つかるかもしれません。
音や振動が許容できるレベルかどうかは、実際に行ってみないと判断が難しいです。今回ご紹介した情報を参考に、気になる物件は内見して音や振動を体感してみてください!